勉強会にて人生の満足感を考える

昨日は久々に毎月研究室でやっている勉強会に参加。
毎回Psychological Bulletinの中から1本読む会。
今回はこれ。

Heller, D., Watson, D. & Ilies, R. (2004) The role of person versus situation in life satisfaction: A critical examination. Psychological Bulletin, 130(4), 574-600.
自分の人生・生活全般への満足感は,トップダウンに気質・人格傾向で決まるのか,それともボトムアップに状況や出来事で決まるのかという話。
特に,仕事と結婚という領域での満足感を取り上げて,それらと,Big Fiveとが,人生・生活全般への満足感にどのように関連しているのか,3つのモデルが考えられ,メタ分析が行われている。
結論として
①Big Fiveが直接に,結婚満足感・仕事満足感・人生生活満足感に影響するモデルは適合が悪く
②Big Fiveが人生生活満足感に影響して,それが結婚満足感・仕事満足感に影響するモデルは適合が良く
③Big Fiveが結婚満足感・仕事満足感・人生生活満足感に影響しつつ,結婚満足感と仕事満足感が人生生活満足感に影響するというモデルがとても適合が良かった。
結局,パーソナリティがその人の反応の幅を決めるベースになり,状況や出来事がそれをある程度上げ下げもする,ということらしい。
②だとシンプルで分かりやすいモデルで③だと複雑になってしまう。
ただ実践的には②だと気質を変えるのは難しいのに対して,③だと職場や結婚生活への介入が利くということがある。

臨床の場で出会う人のことを考えると,
確かに気質的なものと状況的なことがからみあっていて
そういう自分の気質を理解してうまく付き合えるようになることと
生活状況を調整していくことと
両方必要な感じはする。
ちなみに私自身は何かあって少し落ち込むことはあっても
すぐにケロっとしているほうだなぁ。