学会:シンポ

聴きに行ったのは4つ。


発達障害児への支援システムのなかで心理学的知見をどう生かすのか?
 ー協働・連携を実現する心理学的アプローチ」
子どもの問題行動に関して機能分析のシートを用いて
教師へのコンサルテーションをおこなった実践の報告。
軽度の発達障害の子どもの自己意識に焦点を当て,
他者への意識や他者からの目を含めて検討した実験研究と事例検討報告。
心理学的知見を地域の局所で適用できるように
プログラムを開発する必要性と大学の役割についての報告。
どれも興味深かった。
なんというか,トータルに見ていかないといけないな,と
改めて考えさせられた。


「発達研究に対する私のメタ理論」
内田先生・鯨岡先生・小島先生の話題提供,秋田先生の司会という
豪華メンバー。
さすが,聴き応えがあった。
それぞれに,研究の原動力や目指すものがあって
それを基盤に研究計画や理論が構築されていく過程を垣間見た。
私も,そういう根本的なところを豊かにしながら
研究を進めていかなくてはいけないな,と思った。


「子どもと創造力ー脳科学の現在」
ミーハー心で聴きにいったものの
私自身の事前知識などが不足していたし
お昼のラーメンがずっしりおなかに来て
ちょっと付いていききれなかった…。
これから勉強します…。


「『質的データ』への異和感:私たちが考える質的研究」
TVで流れたフィギュアスケートの村主選手へのインタビューを
見事に「エピソード記述」して見せ,
研究を進めていく上でも研究者自身の感触を含めて丁寧に記述し
質感を表す工夫をすべきであるという報告。
出来事や語りを「データ」として切り取り捉えることへの抵抗感と
フィールドで研究者自身に感じられることを扱おうとする報告。
「詩」による現象の記述をヒントに,
質的研究がどうあるべきなのかを問う報告
(りんごのパフォーマンスはすごかった)。
討論では,「研究」であるからには「理論」につながることが
求められるのではないかという話が出た。
私自身も,フィールドの豊かさや自分が受ける感触をどう扱おうか
迷いながら,論文にするときにはある程度切り取って
理論的意義につながるようにまとめようとしてきた。
「こうすればいい」という答えは見えないけれども
やはり,自覚的にやっていくしかないのかな,と思った。
とても面白い,刺激されたシンポだった。


どれも面白くて,参加してよかったなあと思うものばかりだった。
もし,ここに書いたことに誤りがあったら
同じものを聞きに行った方,ご指摘ください。