ヒステリー


先日非常勤先にてDrに「他の日は何しているの?」と聞かれた。
他の非常勤と,あとは家で…いちおう今年度博論を出すつもりなので…
論文とか…書いてたりします…,と妙に言葉に詰まりつつ返答。
そういうわけで今日はようやく重い腰を上げて投稿論文に手をつけようかと


・・・思いきや,amazonから本が届いて読み始める。
「精神医療42号:特集還ってきたヒステリー」
http://hihyosya.co.jp/books/ISBN4-8265-0440-3.html


冒頭の森山公夫先生のインタビューが分かりやすかった。
19世紀後半から20世紀初めにかけて心因性か器質因性かと争われてきて
1970年代,大量消費社会への突入とベトナム戦争でのアメリカ敗戦を迎え
再び,ヒステリー概念が過去とはやや異なった形で再登場してきた「解離」。
ここでは,シャーマニズムとの関連や乳幼児の愛着行動との関連,
正常な解離と病的な解離のスペクトラム
解離の軽度・中等度・重度の三段階の解説などなど,
症例もふくめて分かりやすく語られている。
「解離はある種の変性意識状態で,プラスの場合はトランス(遁走など),
 マイナスの場合は放心状態(誰かに乗り移られたり)という形で出てくる。」
というあたりも解離の捉え方として勉強になった。


ほかの論文も様々な角度から,解離をどう理解するかが述べられていて
とても面白かった。
人間って不思議な生き物だなとつくづく思う。


ところで,思わず笑ってしまったのは
塚本千秋先生の[引き抜きにくい釘]衒界用語の基礎知識 第11回。
昨年社会的に話題になった用語を整理してまとめてみるというもので
例えば

DEP ①ディーゼル排気微粒子 ②休日新聞を読んでいた精神科医が「おやっ」とする略号(p.100)

など,様々な略語に,精神医療の現場を知っている人なら
思わず笑ってしまうような意味づけをしている。
GATT,M&ATOBなど,
ここに載せるのは控えておくけど,そう来たか〜という感じ。
ホワイトナイト」なんて,すごい駄洒落。

「ホワイト・ナイト」と切るのではなく,「ホワイ・トナイト」と切る。すなわち,先週の外来は学会出張で1回飛んだので,明日は普段の2倍の患者が来るから超多忙が予想される。今晩だけは眠っておきたい。そう思う当直の晩に限って,実に様々な出来事が起きるものである。午前2時頃に一騒動あり,それがようやく収まって,当直室に戻ってうとうとしかけた頃,電話が鳴る。「先生,これから行っていいですか?」・・・・電話を切って一言。「ホワイ?トゥナイト?(p.102)

確かに外来1回休診すると大変ですよね。しかもそういう時に限って忙しくなったり。