片付けで埃まみれ


大学院に入ってからというもの、
どんな雑用もこなせる逞しさが身についた。
なにしろ女しかいないから、
どんな力仕事だってこなさざるを得ない。
学部の頃は用務員さんがいたし、
男性に任せることもできた。
それが今では、
電灯の交換だって、本棚の移動だって、
冷蔵庫の移動だって、庭の手入れだって
自分でやらなきゃならない。
臨床の場での片付けなんて容易いものだ。


そういえば以前に研究室の片付けをしてるとき
ちょっと重い段ボール箱を棚の上に乗せようと
必死で持ち上げてみたものの、
やっぱり無理だと思って友人に助けを求めたら、
先生が一瞬持ってみて「これくらいならいける」と言って
また私に箱を渡し、
私が持ち上げて必死にこらえる様子を後ろで眺めて
「ウェイトリフティング」とつぶやいていたのを思い出す。
先生、いけるんならやってくださいよ、っていう(笑)。
日常生活も研究も、
学生ができるだけ自分の力でおこなえるように
援助するのが重要なんだろう、と今になって思ったり。