協働を考える

昨日は祝日で仕事が休みだったので
はるばる関西大学まで,来日中のAnne Edwardsの講義を聴きに行った。
ISCARに行ったときも,彼女の話はとても面白かったので楽しみにしていた。
多職種の連携をActivity Theoryの視点から理論化したお話。


最初はとてもゆっくり話してくれ,内容的にもなじみのある話だったので
おお,これならついていけるぞ,という感じだったのが
途中から部屋の空気が悪いのか,私の無意識の抵抗なのか
頭痛がし始め,意識が薄れていく・・・。
聴き取った言葉をとにかくメモしてなんとか意識を保った。


社会が与えるチャンスを享受できないsocial exclusionの状態の人に対して
(ここでは例として薬物依存の母親に育てられている子どもが挙げられた)
教育やメンタルヘルスなどいくつかのサービスが協働して
その人のレジリエンスを育て
exclusionへ向かう軌跡をinclusionへ向かう軌跡に変えていく。
そのためにはどうしたらいいのか。
CHAT(cultural historical activity theory)と
DWR(developmental work research)の枠組みで説明された。
それぞれの専門家が自分のtoolを使ってobjectにアプローチする。
みんなが同じobjectに向かうとき,そこにはboundary zoneが生まれる。
そこでは“relational agency”として
互いの価値体系や専門知識といったtoolを理解しあい
“knowing how to know who”が分かってくることが重要だという。


多職種が集まって互いに仕事を理解しあって情報共有するのが大事,というのは
そういってしまえばそれまでなのだけれども
それを実際にうまくやるのは,言うほど簡単ではない。
そのときどういう構造でどういうプロセスになっているのか,
個々の人々の動きだけでなく社会制度的なシステムも視野に入れて
理論化していくというこの研究はとても興味深いと思った。